日本では2019年9月27日に公開された映画『惡の華』。
この記事では、映画『惡の華』のあらすじ(ネタばれナシ)・みどころ・解説・感想をご紹介します。
映画『悪の華』の公式予告編
《悪の華 ・予告編》
真面目そうな少年の横には『僕は変態なんかじゃ…ない』、目の座った少女の横には『クソムシが』。
そう書かれたポスターはこの映画をよく表したキャッチコピーでしょう。
映画「惡の華」は閉塞感の溢れた町や毎日に、刺激を求めた男女の不思議な関係性を描いた物語です。
いわゆる『普通』だったはずの主人公は、クラスの問題児の少女と『契約』を結ばなけらばならなくなり、そこから急速にアイデンティティが変化してゆきます。
思春期独特の心の動きを刺激的に描いた青春映画の傑作です。
映画『悪の華』のあらすじ(ネタバレなし)
地方都市に住む中学二年生の春日高男(かずがたかお)は、どこか息苦しい町に不満を感じながら生活していました。
ボードレールの詩集「悪の華」を心の支えとして、毎日を過ごしていたのです。
ある日の放課後、春日はひそかに憧れの気持ちを抱いていた同級生・佐伯奈々子(さえきななこ)の体操着が置きっ放しにされていることに気づきます。
ひとりぼっちの教室の中、勢いで体操着を盗んでしまったその様子を学級の問題視・仲村佐和(なかむらさわ)に見られてしまうのです。
この事を秘密にする代わりに主従関係の契約を持ち掛ける仲村とそれに乗ってしまう春日…
こうして2人のアイデンティティが崩壊した、秘密の日々が始まっていきます。
映画『悪の華』の解説
映画「惡の華」は2009~2014年に漫画雑誌・別冊少年マガジンで連載されていた作品の実写映画版です。
作者は押見修造。
2013年にはテレビアニメも放送されました。
「絶望」をテーマとし、思春期のアイデンティティのゆらめきや自我の確立を描いた青春漫画です。
精神描写の細やかさや、物語の意外な展開の数々から『このマンガがすごい!2011』のオトコ編・第10位に選ばれました。
漫画は累計300万部の発行数を超え、実写映画化が発表された時から注目されていた作品です。
映画『悪の華』の見どころ
この映画の見どころは、なんといっても問題児・仲村の異常性、そしてそれに翻弄され絶望の淵までじりじりと追いつめられる主人公・春日の心の動きです。
彼は『普通』だったはず。ですが、結んでしまった『契約』から逃げることもできないあまりに、事はどんどん大きな動きを起こし、最悪にして最高の結末へとスピードを上げて進んでゆきます。
子どもでも大人でもないという微妙な年齢の『思春期』。
その時期に感じてしまう独特の魅力や、閉塞感のある日々から抜け出そうともがき、揺さぶられてゆくさまを美しい映像で描いています。
映画『悪の華』の感想
漫画版・アニメ版と大ヒットし、ついに実写映画化された「惡の華」。
皆さんも一度は感じたことがあるであろう、思春期の絶望やアイデンティティの確立がテーマの名作です。
恋愛・孤独・自我の確立…たくさんの渦巻いた感情を全て描きあげてくれた、どこか爽快な『絶望』の映画です。
ドキドキが止まらない展開に、127分間、全く目を離すことができません。
「最高にして最悪」この感想は観た人なら頷ける一言でしょう。
映画『悪の華』の登場人物・キャスト
春日高男(かすがたかお):伊藤健太郎
仲村佐和(なかむらさわ):玉城ティナ
佐伯奈々子(さえきななこ):秋田汐梨
常磐文(ときわあや):飯豊まりえ 他
映画『悪の華』のスタッフ
原作:押見修造「惡の華」(講談社『別冊少年マガジン』所載)
監督:井口昇
脚本:岡田麿里
音楽:福田裕彦
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」
製作:松井智、板東浩二、小西啓介、小畑良治、新井重人
プロデューサー:永田芳弘、涌田秀幸 他
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